― 無駄な回数を減らすためのチェックポイントー
タイミング法から人工授精(AIH)へ進むとき、多くの方がこう感じます。
「病院で説明は受けたけど、このまま進んで大丈夫なのかな?」
「他に調べておいた方がいいことはない?」
実際、AIHは比較的負担の少ない治療である一方、
最低限の検査だけで“とりあえず数回”行われているケースも少なくありません。
その結果、
- 原因が整理されないまま回数だけ増える
- 時間だけが過ぎてしまう
という状況に陥る方も多いのが現実です。
この記事では、
AIHに入る前〜初期段階で一度は整理しておきたい検査項目と、そのタイミングを分かりやすくまとめました。
AIHは「精子を入れる治療」ではなく「条件を整えた上で成立させる治療」
まず大切な前提として。
AIHは
精子を子宮内に注入するだけの治療ですが、
実際には
- 卵管が通っているか
- 排卵の質はどうか
- 子宮内環境は整っているか
といった複数の条件がそろって初めて意味を持ちます。
どれか一つでも崩れていると、
AIHを何回繰り返しても結果につながりません。
① 卵管の通過性(卵管造影・通水)
【受けられる時期】
月経終了後〜排卵前(目安:D7〜D12)
AIHの大前提が「卵管が通っていること」です。
精子は子宮に入りますが、
受精は卵管内で起こります。
つまり、
卵管が詰まっていれば
AIHは構造的に成立しません。
「昔一度やった」という方も、
年単位で空いている場合は再評価する価値があります。
② 精液検査(できれば詳細評価)
【受けられる時期】
基本いつでも可(2〜5日禁欲)
最低限:
- 精子濃度
- 運動率
可能であれば:
- 奇形率
- 精子DNA断片化
軽度の男性因子はAIHで見逃されやすく、
「原因不明」のまま回数を重ねてしまうケースも多いです。
ここは早めに整理しておくと、
ステップアップ判断の材料になります。
③ ホルモン検査(卵巣の反応と卵の質を見る)
【受けられる時期】
月経2〜5日目(D2〜D5)
- FSH
- LH
- E2
- AMH
排卵している=妊娠できる、ではありません。
例えば、
FSH高値 → 卵巣が刺激に反応しにくい
LH高値 → 未熟卵が増えやすい
AMH低値 → 卵胞の育ちが悪くなりやすい
といった背景が隠れていることもあります。
※ここは詳しくは
👉ホルモン検査で何を見る?FSH・LH・AMH・甲状腺までわかりやすく解説
④ 黄体ホルモン(P4)
【受けられる時期】
排卵後5〜7日目
排卵後、黄体ホルモンが十分に分泌されているかを確認します。
ここが低いと、
- 内膜が維持できない
- 着床しても継続しにくい
といった状態になります。
AIHを数回行って反応がない場合、
必ず一度は確認したい項目です。
⑤ 子宮内環境(子宮鏡)
【受けられる時期】
月経3〜10日目(M3〜M10)
子宮鏡では、
- ポリープ
- 筋腫
- 内膜の凹凸
など、超音波では分からない異常を直接確認できます。
体外受精前だけでなく、
AIH段階でも価値のある検査です。
特に、
- AIHを3回以上行っても反応がない
- 化学流産歴がある
場合は強く検討したいところです。
⑥ 免疫系(反復不成功の場合)
【受けられる時期】
周期を問わず可能(施設による)
- 抗リン脂質抗体
- NK活性 など
すべての方に必要な検査ではありませんが、
- AIHを3回以上しても陰性
- 原因不明が続く
この段階で視野に入ってきます。
👉 詳細は
「自己抗体・抗リン脂質抗体とは?着床との関係」
「NK細胞が高いと言われたときに知っておきたいこと」
AIHは何回までが目安?
一般的には
- 3回で一度再評価
- 6回でステップアップ検討
とされます。
6回までに妊娠する方はほぼ出そろい、
それ以降は確率の低いくじを引き続ける状態になりやすい。
「もう少し様子を見ましょう」が続く場合ほど、
一度立ち止まって検査を整理することが大切です。
詳しく知りたい方はこちらの記事から
👉AIHは何回まで続ける?「もう1回」のループから抜ける整理
まとめ:検査を整えることで“意味のあるAIH”になる
AIHは手軽に始められる治療ですが、
- 卵管
- 精液
- ホルモン
- 子宮内環境
- 必要に応じて免疫
この5つを一度整理してから進むだけで、
AIHは「なんとなくの治療」から
戦略的な治療に変わります。
もし今、
- AIHを始めようとしている
- すでに数回行っている
- このまま続けていいのか迷っている
そんな方は、
これらの検査項目を一度チェックしてみてください。
また、
「自分は今どの段階にいるのか」
「次に何を確認すべきか」
を整理できるよう、
妊活の検査・治療を一覧で管理できるPDFガイドも用意しています。
必要な方はプロフィールリンクからご覧ください。


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